【江月宗玩】
江戸初期の臨済宗の僧。茶人。大徳寺第百五十六世。堺の豪商で織田信長、豊臣秀吉に茶頭として仕えた津田宗及の子。俗名は宗丸。号に欠伸子、慒袋子、赫々子など。幼少より春屋宗園に師事し、15歳の時に剃髪して宗玩を名乗る。慶長15年大徳寺住持。茶の湯を父の津田宗及、小堀遠州に学び、千宗旦と交流して堀直寄らを弟子とした。詩文・書にも秀で、その書は沢庵宗彭、清巌宗渭とともに床掛けとして流行した。寛永20年（1643）寂、70歳。

【松花堂昭乗】
江戸前期の書画家・石清水八幡宮社僧。摂津生。姓は喜多川、幼名は辰之助、通称は滝本坊、別号に惺々翁・南山隠士等。滝本坊実乗に真言密教を学び、滝本坊住持となる。のち退隠し、松花堂という庵を営む。近衛信尹・本阿弥光悦と共に寛永の三筆の一人。和歌・連歌・茶道にも通じ、また狩野山楽に画を学んで独特の清逸な水墨画を能くした。寛永16年（1639）歿、56歳。