【片山楊谷】

江戸中期の長崎派の絵師。長崎生。名は貞雄、通称は宗馬、別号に画禅窟など。幼い頃から絵に優れ、円山応挙はその画才を見て驚嘆し、弟子入りを請う楊谷を友人として迎えたという。虎絵においては毛を細い線で丹念に表し、「楊谷の毛描き」と呼ばれるほどの腕前であった。享和元年（1801）歿、42歳。

【那波魯堂】

江戸後期の儒者。姫路生。通称は主膳。名は師曾。字は孝卿。別号に鉄硯道人。岡白駒に古学を学んだのち朱子学に転じる。阿波徳島藩主蜂須賀治昭に招かれ藩儒となり、「四国の正学」と称された。寛政元年（1789）歿、63歳。