土本訓寛・久美子 言祝ぐ器たち ―日本の動物画からの視点―

古くから絵画の題材とされてきた動物は、祝慶・縁起画など主に吉祥の意味合いで用いられ、人々の様々な願いを込めて描かれてきました。
鶴と亀は長寿、猛虎は魔除けや家内安全、鯉は立身出世など、その願いも実に様々。
なかでも十八世紀半ば以降は主に円山派や南頻派から、身近に存在している動物が題材になった動物画が多数出現するようになり、様々な動物のすがたを目にする機会が増えるようになります。
また近年ではそうした江戸動物画にまつわる展覧会も増え、可愛らしくユーモラスな動物画が随分と身近になりました。

掛軸の専門店である古美術瀬戸でも多くの日本の動物画を所蔵しておりますが、これら魅力的な動物画の世界を新たな形で伝えることができないかと、今回、陶芸家の土本訓寛さんと久美子さんにご協力を依頼し、日本絵画の動物画を元に新たな図柄を描き起こし、新作の陶芸作品を制作していただきました。

今回土本さんにお選び頂いた掛軸は5点。円山応挙に始まり、伊藤若冲、岸竹堂といずれも江戸から明治にかけての動物画の大家の作品たちが並びます。

元々図柄に吉祥文を描くことも多く、李朝陶磁からもインスピレーションを得て器づくりをされている土本さん。
今回は掛軸の絵柄から文様を作り出していますが、仕上がった作品はどことなく吉祥文のような縁起物のようでもありつつ、土本さんならではの温かみのある風合いが存分に活かされた仕上がりになりました。

象嵌や魚々子文、焼き締めに線刻などの技法で表現された器たちと、日本の動物画の世界をぜひ併せてご堪能下さい。

※作品購入はお一人様5点までとさせて頂きます。

開催期間:2024年1月13日(土)-21日(日)
開催時間:10:00-18:00
作家在廊日:1月13日

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[略歴]
土本 訓寛
1979年 福井県生まれ
岡山県吉備高原学園高等学校陶芸コース卒業
1998年
福井県工業技術センター窯業指導所終了
2001年~
福井県越前町にて薪窯を使って制作
2017年
日本陶磁協会 現代陶芸奨励賞
福井・石川・富山展 受賞

土本 久美子
1976年
広島市生まれ
宝塚造形芸術大学で
ビジュアルデザインを学ぶ
2000年
福井県工業技術センター窯業指導所終了
2004年
福井県越前町にて薪窯での焼き物作りを始める